こちら海抜0.1m!

いつの間にかベンチャーに移ってました。住んでるところは海抜0.1m。会社のステージもまだまだ海抜0.1m。

英語を身につけたら人生変わるの?英語ってスキルだっけ?

本屋に行くと所狭しと英語の教材が並んでるのを見かけます。「英語教育」ビジネスの巨大さにはホント驚きです。かと思うと、東南アジア諸国に出かけると、そこかしこで英語が通じます。英語を身につけたら人生って変わるんでしょうか?英語ってスキルだっけ?という話を書こうと思います。

 

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以前フィリピンへBPOビジネスの立上げ責任者として赴任していました。
具体的にはコールセンタービジネスの立上げです。日本語オペレーションも行うため現地採用枠として、日本人の募集も行なっていました。

 

ご存じの方も多いと思いますが、最近フィリピン、とくにセブ島では、英語留学が盛んです。フィリピンにはアメリカン英語を話す人が多く、物価も安いことから、留学のための語学学校が数多く作られました。人気は留まることを知らず1年間の語学留学生は延べ4万人を越えているとの統計もあるようです。学生だけではなく、社会人にも人気で、日系資本の英語学校が、今ではセブ島だけで20校を越えているようです。

 

こういう背景もあってか、先の現地採用における面接の際には、ほとんどの人が口をそろえて言うのが現地に住んで「英語を学びたい」でした。もちろん、そういうニーズを狙っていた面もあるのですが、"働きに来る"<"英語を学ぶ"という感じの比重でした。

 

英語ってスキルじゃないよ!

現地採用に応募してくるのは、20代よりも30代のほうが多かったです。

当初は、20代の応募が多数を占めるのかなと思っていましたが、1社から2社を経験した30代の方の応募が中心でした。正社員とはいえ、現地採用はお給料が安いです。日本円で12万円ぐらい。たしかにフィリピンでは生活ができる額です。しかし贅沢はできません。貯金もままならなりません。それでも「英語」という魔物に導かれて多くの人がやってきました。

 

「英語を身につけて人生を変える!」

こういうことを面接で何度も聞きました。しかし、そういう人に限って、英語を身につけて何をしたいの?の問いには答えがありませんでした。また、これまで英語をほとんど勉強してこなかった人なので、英語が身につくまでどれぐらいの時間がかかるとかそんなことも知らないんです。それに、どんな英語を身につけたいかも分かってませんでした。

 

英語はツール。コミュニケーションの道具でしかない。

英語がスキルなのであれば、日本人は世界の大多数に完敗です。経済大国になんてなっていなかったはず。英語を話せる人は日本人の数よりも圧倒的に多いですから。

英語が話せるようになると、たしかに便利なことは多いですが職にありつけるかは別問題です。帰国子女のバイリンガルが、会社の出世頭になるかというとそうでもないケースも多い。

仕事ができて初めて仕事の幅は広がります。

英語ができたって仕事が任されるわけではありません。たしかに、簡単な通訳や翻訳ぐらいの仕事はありますけどね。

英語を学ぶことはとっても大切だと思いますが、それ以上に目の前の仕事をしっかりと取り組み、スキルを高めていくことが大事だと思います。