起業や新規事業の失敗の典型例。ぜひ避けたいですよね。
起業にしろ、新規事業にしろ、やはり多い失敗例。
どういうケースで失敗してしまうのかを考えてみたいと思う。
撤退基準を決めていない。
起業しているがうまくいっていない人を見ていると、売りも利益もほとんど出ていないのに「あきらめなければ成功しかない」の考えのもと、自分の作ったサービスや商品に固執している傾向が見受けられます。
商品やサービスをローンチして、3か月(もしくは6か月)経って売上がないとモチベーションも続かない。焦りも出てくる。こういう状態のときには何かが間違っているはずだ。
商品のコンセプトなのか、商品やサービスそのものなのか、マーケティングの方法なのか、販促手法なのか、告知手法なのか、きっとどこかに問題があるはずです。
ローンチする前に撤退の基準を決めておき、すっぱりと仕切り直しをすべきだ。株の世界の損切りと同じですね。ずるずると引き延ばさない。
市場のないところで戦っている。
そんな馬鹿な、とも思いますがこれも非常に多いです。
「独自性」の言葉に引きずられ、市場のないところ、魚のいないところに釣り糸を垂らしているケースもよくある失敗例です。
ただし、これは成功と紙一重だったりするので難しいところ。しかし、独自性をはき違えていることはよくあるように思う。市場規模の読み違え、ニーズの履き違えで発生し、自分の商品やサービスを押し付けるという思い先行型のケースとも言える。
また、以下のようなケースも見受けられる。商品やサービスをローンチする前に、こんなものが世にあったらどうだろう、と既存の取引先や友人などに確認しているケース。
新しい商品やサービスのアイデアに対して、よく掛けられる「いいねぇ、きっと買うよ」「そんな商品を探していたんだ!」という言葉。そこに「いくらなら買う?」という質問にも快く回答をもらっている。ここで自信をつけて、いざローンチしてみると、いっこうに売れない。
事前のイメージ調査と実際のおさいふのヒモの堅さはイコールではないということです。十分に気を付けなれければいけない。
既存事業と同じフレームワークをあてはめてしまう。
社内起業ではこれがホントに多いです。既存事業と新規事業とでは考え方はまったく異なるのに、うまくいっている既存事業のフレームをそっくりそのまま新規事業にあてはめるとまったくうまくいかないというケース。既存事業では標準化をめざし、改善を繰り返すことで利益をあげていくことができますが、新規事業では標準化や改善はまったく必要ではないことはないが、イノベーションのほうが重要。
イノベーションなくして、標準化や改善に走るとまったく尖ったものにならず、面白みのない売れないサービスや商品に早変わり。そして事業はつぶれてしまう。
既存事業のオペレーション担当の人が、新規事業に移ったときに思考の転換ができずに事業をつぶしてしまう典型パターンです。
まだまだ事業失敗のパターンは多いですが、少しでも失敗の可能性は減らしていきたいですね。
最近気になる起業キーワードは、EdTech(エドテック)とFinTech(フィンテック)
EdTechとFinTechって聞いたことありますか?
EdTech(エドテック)は、Education(教育)とTechnology(テクノロジー)を組み合わせた造語です。
FinTech(フィンテック)は、Finance(金融)とTechnologyを組み合わせた造語です。
ともにテクノロジーの進化を背景に、教育分野と金融分野を改革していこうというものです。
欧米、そして中国を中心にEdTechとFinTech分野の起業が相次いでいます。ともに日本では遅れており、残念ながら大きく差をあけられています。
しかし、ここへ来てようやく日本も動きを見せるようになってきました。
EdTech(エドテック)
学校現場では2020年までに1人1台の情報端末の配備の目標が掲げられ、EdTech分野に大企業の参入が相次いでいます。
先手を行くのはリクルート。受験サプリで市場をけん引し、Quipper社の買収、Udacityとの提携など買収や提携によって市場拡大を図っています。
次に続くのはベネッセコーポレーション。ソフトバンクとの合弁でClassiを立上げ学校向けに教育コンテンツを提供しています。また、社会人向けにはUdemyと業務提携を行い、オンライン教育市場を狙っています。
その他、KDDIやNTTグループなどがEdTech分野で覇権争いを行っています。
これからの市場拡大が楽しみです。まだまだ市場の隙間が狙えそうです。
FinTech(フィンテック)
日本のFinTech企業といえば、マネーフォワードとFreee(フリー)が先陣を切っていますが、まだまだ市場開拓の余地が残されていると思っています。
ビットコインなどの仮想通貨系、AMAZONやLINEも参入してきたオンライン決済系、クラウドファンディングの分野などまだまだ市場を席巻している企業は現れていない。
この分野はとくに日本では遅れていると言われている。強固な銀行業法などの法律によって自由にビジネスができないことが原因だろう。
しかし、最近では政府主導で門戸が開かれそうな気配もある。日本には、SuicaやEdy、Nanacoなど電子マネーでは他国よりも決済金額の多い分野もある。
一度火がついてしまえば一気に市場が広がりそうな予感もする。セキュリティや法律など越えなければならないハードルは多いが、市場を押さえられると大きな利益が見込める分野だろう。
アイデアだしのときに使えるおススメデジタルツール
アイデアだしのときの三種の神器
アイデアだしのときの三種の神器といえば、ホワイトボード、付箋(ふせん)、黒マジック。
色違いの付箋(ふせん)を用意して、ブレスト的にアイデアを出しまくる。アイデアをたくさん出すには、デジタルツールよりもアナログツールのほうが向いていると思う。
くだらなくても出しまくる。恥ずかしがらずに、そして出てきたアイデアは絶対に批判しない。アイデアだしのポイントは数。どんな手を使ってでも100以上のアイデアを出すようにしています。
ひとりでもくもくと考えるときには、マンダラチャートを使っています。マンダラチャートは、日本ハムの大谷翔平くんが目標設定の際に使っていたということで注目されましたね。紙やエクセルに横3×縦3の9マスを書き、中心のマスに自分が考えたいテーマなどを記入します。残りの8マスに中心テーマから連想されるワードや解決策を記載していくというものです。さらに深堀りしたいときには、中心の9マスの周りに、さらに8ユニット(横3×縦3の9マス)を書き、中心の9マスで出てきたワードを、周りの8ユニットの中心に記入し、そこから連想されるワードを書き出していきます。出来上がったものがまるで曼荼羅図のようなことからマンダラチャートと呼ばれています。
ホワイトボードに付箋、そしてマンダラチャートなどアナログツールのほうがアイデアだしには向いていることは確かですが、デジタルツールの中にも優秀なものが存在します。
今回は、その便利ツールをご紹介します。
便利ツールのご紹介 FreeMind
マインドマップはご存じですよね?イギリスの教育者トニー・ブザンが開発した創造的な思考法です。
考えるネタやテーマを紙の中心に絵で描き、そこから放射状に枝を伸ばしてキーワードなどをつなげて発想を広げていくものです。
FreeMindは、そのマインドマップを作成するためのツールです。しかも無料!
紙で書いていると、枝の順番を変えたり、向きを変えたりできないのですが、FreeMindはそこらへんが自由自在です。
さらに作成したマインドマップは、PDFやPNG、HTMLで保存や出力が可能です。
サイトも充実しているので使い方に困っても安心。PCにはぜひインストールしておきたい1品です。
アイデアだしだけではなく、会議の議事録を取る際にも使ったりしています。
また、提案書作成にあたってのテーマだしやメッセージを考えるときにも重宝しています。
社内起業の面白みってどんなものなんだろう?
気づかぬうちにゆでガエル
同じ会社で長く働いていると仕事のこなし方が身についてきます。
来たボールをうまく処理することに長けていき、新しいことに触れる機会が減ってきます。もちろん定期的に組織変更や部署異動があるような会社であれば定期的に仕事が変わったり、上司が変わったりもしますが、多くの会社ではそうもいかないでしょう。
そうすると、成長を感じなくなって、転職しようかな、もしくは起業しようかなという気持ちを持つようになってきたりします。
でも、そこに立ちはだかるのが、年齢の壁。年齢を重ねると転職が億劫になります。また起業の勇気が持てなくなります。さらに家族がいると、家族の反対の憂き目にもあいます。
まぁ、こんなふうに考えている時点で転職も起業も望み薄なのではありますが。
そんな人に社内起業はとってもおススメです。
なんせリスクゼロ。そして、経験が積める。思考訓練にもなる。社長の気持ちを持てる、そして成長できるなどメリットが盛りだくさん。
普段の仕事がつまらなくなった。新しいことをしてみたい、と思ったときに、転職や起業を考えるのではなく、今の会社でできる最大のことはなんだろうと考えることがとても大事だと思います。
そうすると、今まで培ってきた社外には転用できない社内スキルや社内ネットワークまで活かせちゃいます。
社内起業の最大のメリット
今まで培ってきた社外には転用できない社内スキルや社内ネットワーク
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今まで培ってきた社外でも活用できるスキルや社外ネットワーク
社内起業の最大のメリットはこんな掛け算が成り立つことだと思います。
リスクを極限まで減らして、新しい取り組みにチャレンジできる。
もちろん、新規事業開発室なんかに異動することによって社内で新規事業に取り組むこともあると思いますが、おススメは自分自身で社内起業ネタを見つけ、自分自身で事業計画を書き、プレゼンして予算を勝ち取る。
これが社内起業の面白みだと思います。
ぜひチャレンジしてみてくださいね!
社内起業のアイデアやネタを量産するために読むべき5冊
アイデアやネタをたくさん持っている人がいます。
そんな人と接すると自分には面白みがないなぁとか、想像力がないなぁと思ったりもします。
たしかに、アイデアやネタ出しは個人の資質に関するものもあると思いますが、実はアイデアを出すための方法をどれだけ知っているか、というだけで大きくカバーすることができます。
今日はそのための本をご紹介します。
社内起業のアイデアやネタを量産するために読むべき5冊
1.考具
- 作者: 加藤昌治
- 出版社/メーカー: CCCメディアハウス
- 発売日: 2003/04/04
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 購入: 37人 クリック: 305回
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考えるための道具がぎっしりつまった本。手軽に読めてホントに役立つ1冊。
2.ゼロ秒思考
マッキンゼー出身赤羽さんの本です。A4の裏紙にメモ書きを書きまくる術。思考を早くしたい人のための本です。必読。
3.ポールスローンのラテラルシンキング
図解とパズルでわかる難関突破の発想を身につける 水平思考(ラテラルシンキング)で会社を救え! (マジビジPRO)
- 作者: ポール・スローン,ディスカヴァー・クリエイティブ
- 出版社/メーカー: ディスカヴァー・トゥエンティワン
- 発売日: 2013/11/01
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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ラテラルシンキングといえば、ポール・スローン。水平思考は、答えの選択肢を広げ、人とは違ったユニークな方法を見つける手助けをしてくれます。ポール・スローンは何冊か同様の本を書いており一番自分に合う本を取るべし。
4.アイデアのつくり方
- 作者: ジェームス W.ヤング,竹内均,今井茂雄
- 出版社/メーカー: CCCメディアハウス
- 発売日: 1988/04/08
- メディア: 単行本
- 購入: 91人 クリック: 1,126回
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ジェームス・W・ヤングの名著。コピーライターだった著者がどのようにひらめきを得てきたのを知れる本。薄い本なのですぐに読めちゃいます。
5.アイデアのヒント
- 作者: ジャックフォスター,青島淑子
- 出版社/メーカー: 阪急コミュニケーションズ
- 発売日: 2003/01/10
- メディア: 単行本
- 購入: 15人 クリック: 212回
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アイデアの出し方から自己啓発の面まで。アイデアは組み合わせの産物だ、ということが実感できる一冊。
以上、5冊をご紹介でした。
社内起業を成功させるために、どうやって事業のアイデアやネタを見つけたらいいの?
社内起業を成功させるためのアイデアやネタの見つけ方
ブルーオーシャンを見つけよう。この言葉は社内起業のアイデアを考える段階ではNGです。たしかに、まだ誰も見ていない市場を見つけようという行動や思考は間違ってません。きっと成功すれば、大きなリターンが得られるでしょう。しかし、まだ誰も気づいていない市場を見つけようとすることがナンセンス。
なぜならまだ市場がないから。これまで誰もたどり着いていないところに容易にたどり着けるわけがない。
ブルーオーシャンは、事業を起こした結果として、そこは誰もたどり着いていない市場だったと悟ることになると思います。
では、どうやってアイデアやネタを見つけていくか?
世の中の新事業、新サービスのほとんどは、旧来あったもののエッセンスを、新しい組み合わせで作り上げたものだと言われています。さらに技術革新を通して、新しい商品やサービスを付加していく。最近では、これまでなかったものが突然現れた、ということはほとんどないのではないでしょうか。
- まずはアイデアミーティングでエッセンスを抽出する。
商品やサービスだけではなく、使うシーンや業界、環境などから要素を抽出する。 - エッセンスを2つ以上組み合わせる。
- くだらない組み合わせも許容することが肝要。
- できた組み合わせから、自社の強みやビジネスシーズを掛け合わせてサービスをひねり出す。
- アイデアを一晩寝かして熟成させる。
- 一晩寝かしたアイデアでも面白さがあれば次に進める。
新商品や新サービスのアイデア出しにあたっては、だいたいいつもこんな感じで進めています。意外とアイデアを一晩寝かして熟成させるところがミソだったりします。ミーティングしていると盛り上がって、これいい!となったりするのですが、一晩おいてみると、案外パッとしないものも多いんです。
はじめのころは、頭が凝り固まっていてなかなかアイデアが出てきません。
こんなこと考えちゃダメなんじゃないかというメンタルブロックがあることが多いからです。また、同じ業界、同じ会社で長く働いていると、いつのまにか過去や自社の"常識"に縛られて自由な発想ができなくなるものです。
そんなときには、社会人経験のない大学生を入れたり、入社間もない人を入れてみると突拍子もないことを言ってくれたりします。
「バカな」とも思ったりもしてしまいますが、それらを見つめ直してみると案外使えるアイデアだったりしたりします。
次回は、社内起業のアイデア出しに使える本の紹介をします。
オペレーションとイノベーション。既存事業と新規事業との違い。
社内起業を立ち上げようとプロジェクトを初めても、普段仕事をしていると忙しさに忙殺されて優先順位が下がりがちだ。日時を固定させて「参加必須」にしても、緊急事態が発生したり、アポイントがかぶったりして参加者がポロポロ抜けてしまうことも度々ある。勢いがあるのは、初期段階のアイデア出しぐらいで、手間がかかるフェーズに移ってくるとプロジェクトを抜けたがるものも増えてくる。だからといって、新規事業立上げ以外のタスクを全部剥がし、この社内起業プロジェクトに工数の全量を注ぐことが良いかといえばそれも違う。ある程度稼げるめどがつくまではタスクオンの形でプロジェクトを進めるほうが良い。なぜなら、既存事業と並行で進む会社にとって新規事業は目先の利益を食いつぶす邪魔な存在にも映るからだ。
成功要因の違い:オペレーションVSイノベーション
既存事業は、着実にオペレーションを回すると稼ぐことができる。既存事業には、すでに実行部隊が明確になっており見込の費用や利益も定まっている。反面、新規事業はイノベーションで、稼げる事業に育つまで1勝9敗とも言われる。どんなに人と時間と金をつぎ込んだとしても成功する確率は大きく変わらない。
新規事業が育つまでは、既存事業に養ってもらわなければならない。言うなれば大人と子供の関係だ。
大人は子供を育てる必要があるし、子供は大人に守られているうちに、しっかりと学び、成長し、稼げるようにならなければならない。
いつしか大人は老人となり稼げなくなる日が来る。そのときのためにも子供は成長しなければならない。
イノベーションの成功要因は「ビジョンと創造」
オペレーションの成功要因は「ルールと管理」
「新事業は、そもそも「何をやるか」が決まっていない。就業時間などの人事的なルールはともかく、業務内容をルールとして決めることはできない。その新事業を動かす規範は、実現をめざす「ビジョン」だ。トップの指示を待っていては、組織全体が何も動かなくなる。メンバーが知恵とアイデアを出す「創造」を通じて、お互い協力してビジョンを目指して動く。
- 新事業開発スタートブックより抜粋 -
既存事業と新規事業とでは、仕事の進め方や成功の要因が大きく異なる。当事者たちは頭では分かっていても、心で理解できないケースが多い。組織を動かす立場の人にとっては目標設定の方法など新規事業がしっかりと育つように取り組まなければならない。